2025年8月6日水曜日
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テスラ株価急落の真相:2025年上半期の減収・減益の理由を徹底解説

テスラ株価急落の真相:2025年上半期の減収・減益の理由を徹底解説

2025年上半期、テスラは売上高12%減という厳しい決算を発表。EV市場の競争激化、デリバリー減少、イーロン・マスクCEOへの反応など、様々な要因が考えられます。テスラ株価の動向、今後の戦略、そして市場の反応を詳細に分析します。

テスラ減収・減益の衝撃:2025年上半期決算分析

テスラは2025年上半期、過去最悪の四半期決算を発表し、売上高が12%減少しました。これは、少なくとも過去10年間で最も大きな減収です。イーロン・マスク率いるテスラに一体何が起きているのでしょうか?

この減収は、EV市場における競争激化、車両デリバリーの減少、そしてイーロン・マスクCEOへの世間の反応の分断など、複数の要因が絡み合っていると考えられます。

テスラ2025年上半期の決算詳細

ブルームバーグによると、調整後1株利益は40セントで、ウォール街のアナリスト予想を下回りました。売上高は225億ドルにとどまりました。

決算報告書には目新しい情報は含まれていませんでしたが、テスラはロボタクシーサービスの開発とより手頃な価格の車両生産に焦点を当てた戦略計画を維持すると発表しました。今後の四半期における回復を目指しています。

テスラ減収・減益の主な要因

減収の主な要因は、車両デリバリーの減少と規制クレジットによる収益の減少です。

テスラはまた、モデルの平均販売価格の低下により、利益率も減少しました。さらに、これまで企業を支えてきた発電・蓄電事業の収益も減少しました。

特に規制クレジットによる収益は、第2四半期に4億3900万ドルと、第1四半期の5億9500万ドルから26%以上減少しました。前年同期比では、8億9000万ドルからほぼ半減しています。

この傾向は、ドナルド・トランブ政権の政策(連邦燃費基準を満たさないメーカーに対する制裁の撤廃)によって悪化しています。


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市場はテスラの現状をどう見ているか?

ニューヨーク市場の後場取引では、テスラ株価は変わらずでしたが、1月以降18%下落しています。しかし、ブルームバーグによると、3月と4月に記録された安値からは回復しています。

ブルームバーグ

一方、アナリスト会社Vital Knowledgeの創設者であるアダム・クリサフリは次のようにコメントしています。

“テスラを単なる自動車会社と考えるなら、この決算は悪かったと言えます。しかし、テスラをAIとロボットの巨大企業と考えるなら、この報告書の後でも見通しは大きく変わりません。”

厳しい見通しにもかかわらず、テスラはオースティン市などでのロボタクシーサービスの拡大を目指し、イノベーションへのコミットメントを繰り返しています。具体的な期限は示されていませんが、6月にはより手頃な価格の新型モデルの建設開始を発表しており、売上回復と新たな市場セグメントへの顧客獲得に繋がる重要な要素となると期待されています。

これらの動きを通じて、テスラは、単なる自動車メーカーを超え、電気自動車と自動化技術のリーダーとしての地位を強化しようと試みています。イーロン・マスクは既に巨大なテクノロジー複合企業を代表していることを忘れてはいけません。


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