2024年版 メキシコ州競争力指数：アグアスカリエンテス州分析

IMCOが発表した2024年版メキシコ州競争力指数（ICE）では、メキシコ国内32州の強みと改善点を浮き彫りにしています。本レポートでは、アグアスカリエンテス州の現状と課題を詳細に分析します。

2024年版では、メキシコシティ、バハ・カリフォルニア・スル州、チワワ州がトップ3にランクイン。一方、オアハカ州、ゲレロ州、チアパス州は依然として競争力が低い状態です。

アグアスカリエンテス州はわずかに競争力を向上させ、全国6位にランクインしました。近隣州では、ケレタロ州が5位、ハリスコ州が10位、サン・ルイス・ポトシ州が18位、グアナファト州が22位（2ランク下降）、サカテカス州が27位（順位変わらず）となっています。

ICEは、各州の強みと弱点を特定し、生活環境や雇用状況に基づいて人材と投資の魅力度を評価するためのツールです。

革新性と経済（州競争力指数）

革新性と経済のサブ指標は、各州の経済ダイナミクスと主要セクターの特性を評価します。特に、高度な知識と最先端技術を必要とする高付加価値セクターにおける競争力も考慮されます。 新知識の創出と応用、研究環境、特許取得能力などを評価します。

アグアスカリエンテス州は11位で、ベストプラクティスはチワワ州に見られます。近隣地域では、グアナファト州が特許取得数で1位となっています。

インフラ（州競争力指数）

インフラのサブ指標は、経済成長、投資、雇用創出を促進するために他の経済セクターに影響を与える、金融、電気通信、運輸セクターを測定します。

このサブ指標は、情報技術と通信へのアクセス、および金融サービスの利用に関する指標を考慮します。アグアスカリエンテス州は11位で、ベストプラクティスはメキシコシティに見られます。

労働市場

労働市場のサブ指標は、生産の主要要素である人的資本の効率性を測定します。具体的には、労働者と雇用者の適切なパフォーマンスに不可欠な特性を考慮し、各州の成長と発展の条件を決定します。

労働者がより多く、より高度に訓練され、給与がより競争力のある州は、人材と投資にとってより魅力的です。アグアスカリエンテス州は13位で、ベストプラクティスはメキシコシティ、ヌエボレオン州、コアウイラ州、バハ・カリフォルニア・スル州に見られます。

社会と環境

社会と環境のサブ指標は、教育、健康、環境の3つの分野を通じて、住民の生活の質を測定します。これらは、人的資本を育成、誘致、活用するための機会を示しています。

国民の進歩と社会的地位向上のためのより良い機会を提供する州は、人材と投資にとってより魅力的です。アグアスカリエンテス州は9位で、ベストプラクティスはメキシコシティに見られます。地域では、サカテカス州が乳幼児死亡率で1位となっています。

法制度

法制度のサブ指標の目的は、各州の治安を測定することです。治安は市民の生活の質と密接に関連しており、自由、秩序、公共の平和に対する脅威を防ぎ、排除することで、人々の身体的完全性と権利を保護します。

機能的な法の支配は、人材の誘致と定着に好ましい条件を生み出します。アグアスカリエンテス州は4位で、ベストプラクティスはコアウイラ州に見られます。地域では、ケレタロ州が際立っています。

政治システムと政府

政治システムと政府のサブ指標は、地方政治システムの可能性と機能性、および地方政府がその州の競争力にプラスの影響を与える能力の両方を評価します。

機能的な政治システムは、健全な競争と契約遵守の環境を作り出すことで投資を促進することができます。また、地域経済開発を促進する公共政策の実施にも役立ちます。アグアスカリエンテス州は17位で、ベストプラクティスはユカタン州に見られます。地域では、ケレタロ州が腐敗の認識が少ないことで際立っています。

アグアスカリエンテス州の州競争力指数

アグアスカリエンテス州のスコアカードでは、長時間労働、経済の多様化、市民参加の低さ、経済成長などが課題として挙げられています。競争力が非常に低い一方で、4つのサブ指標で高い評価を得ており、全国6位を維持しています。犯罪発生率の増加への対応も課題となっています。